行って参りました。

 難しいお話だと言う事はわかってましたけど・・・
 本当にこんなに難しいとは・・・正直驚いてしまいました。
 以下、ネタバレ含みますので嫌な方はスルーして下さいね。


 まず・・・
 今日は昼と夜の2公演見ました。
 2回目を見終わって、そのまま地元の駅まで戻って来ましたが
 どうしても何だか悶々としてしまっていて、
 真っ直ぐ家に帰る気がしなかったので、近所のドトール
 パンフレットを読みながら、頭の中を整理してみました。

 
 1回目・・・
 暗転から明かりがつくと、勝(健ちゃん)が何だかわからない古いドアに
 緑色のペンキを塗っています。舞台上には2軒のお家があるのですけれど、
 両方とも古い作りで、私が子供の頃に沢山あった様な作りでした。
 そのドアは妹(MEGUMI)に関係するのですが、そのドアの色に拘りがある様で
 「そんな緑じゃない」みたいな事を言うのですが、自分の思っているドアの色が
 見つかってその色を塗り終わったらどうなるのか・・・が理解出来ませんでした。
 妹はピアノを習っていて、男の先生が教えに来ているらしいのですが、
 どうやらその先生と勝の母が不倫関係にある様な雰囲気。
 勝も妹も勝の父も気づいているのだろうけれど、見て見ぬふり・・・。
 そして勝の兄が9年振りに帰宅すると言う事で父も母も大喜びしているが
 兄は勝に借金を申し込む。どうやらその為だけに戻って来たらしい・・・。
 そんな中、勝は隣の奥さんに恋をしている様子。どうする事も出来ないが、
 とにかく好きだと・・・。だが、そんな勝に奥さんは子供を殺したのは自分だと。
 刑事は目撃者である勝の妹を犯人ではないかと疑っている。
 そこから勝の心の葛藤が始まるのだが、表面はあくまでも普通を装う。
 一緒に逃げようと奥さんに言うが、勝は結局それが出来ず、刑事に通報。
 奥さんに自首を薦める。
 

 でも、ここからがかなり曖昧で、勝がケーキを食べながら、辛い思いを
 押し隠しながらバカな話をするシーンがあるのだが、結局奥さんは
 自首したのか、はたまた、自殺したのか・・・がわからない。
 勝が突然泣き出したりするし、周りもその様子を見て見ぬふり・・・。
 劇中に仮面を被った男性が高い所に何度か現れるのだけれど、
 その意味がわからない・・・。
 ピアノの先生の奥さんが勝一家が可愛がっていたオウムを殺して
 持って来る。その意味がわからない・・・。
 隣の奥さんが子供を殺した理由がわからない・・・。
 とにかく、あちこちわからない事ばかりで、終わった後も頭の中に
 ハテナマークが一杯。
 

 パンフレットを読んでいると・・・
 役者さん達も台本を最初に読んだ時は難しく理解出来なかったそうで、
 稽古を始めてから少しずつ理解して行ったみたいですね。
 それに、今までもずっとシャンプーハットで赤堀さんの脚本で
 お芝居をやっている仲間達も今回はちょっと違うと感じている様です。
 小さな小さな劇場でやるのと、グローブ座クラスの劇場でやるのとは
 空間も違うし色々と大変なんだろうな〜とは思ったけど・・・。
 役者さん達もこれをどうやってお客さんに伝えるか・・・が
 とても難しい・・・と言ってますからね。
 本当に難しいんだと思います。

 
 ただ・・・
 今日、私が感じた事は・・・。
 確かに見終わってすぐは「ん?」って感じだったんですけれど、
 ドトールでパンフレットを見ながら色々と私なりの思いを巡らせていると
 何だかわからないけど、心にズンと残る物があり、
 劇中の最後の方にお父さんがポツリと「人はみんな独りなんだ。
 孤独を受け入れなさい」と言うのですが、その台詞がずっと引っかかっていて
 ごくごく当たり前の日常を描いたお芝居だからこそ、
 答えは無くて、他人の気持ちを理解しようとする事は出来るけれど、
 理解する事は出来ないんだなと言う事を教えられた・・・そんな風に思いました。 
 毎日のニュースの中でも、「何で?何でこんな事件が起きるの?」って
 そんな風に思う事もしばしばありますが、それはやはり当事者でなくては
 わからない事の方が多くて、自分の考えの範囲で「これはおかしい」と
 決め付けるのも良くないのでは・・・なんて事も考えました。
 

 きっと・・・
 後2回見るのですけれど、その都度、自分の置かれている状況や
 精神状態が変われば、引っかかる所が変わって来る様なそんな気もしています。